理事長所信

  • はじめに
  • 一人ひとりの当事者意識を醸成し、共に地域の明るい未来を創り出そう
  • 地域の未来を担う子ども達のために、たくましい成長の機会を創り出そう
  • 世界の友達に会いに共に国境を越え、感謝の気持ちを伝えよう
  • 会員拡大で新たな仲間を加え、共に地域の明るい未来を創り出そう
  • 「例会」という最高の成長と交流の機会を共に創り出そう
  • 未来を見据えて、時代に即した価値ある組織であり続けるために
  • おわりに

第57代 理事長 本田 洋明

     未来共創

~理想の未来のために一滴入魂

はじめに

 青年会議所のはじまりは、戦後間もない頃、荒廃した日本の危機的状況を打開すべく、

「新日本の再建は我々青年の仕事である。」

 と立ち上がった高き志を持つ青年達が相集い、青年会議所運動という地域を照らす燈火が日本各地へと広がりました。春日部青年会議所におきましては1965年に創立し、愛する郷土の発展と人間性の向上を目的に、長きに亘って時代に即した多くの青年会議所運動を、愛する地域に向けて発信して参りました。春日部青年会議所が昨年55周年を迎えることができたのも、組織のバトンを、地域の未来のためにとつなぎ続けていただきました先輩諸氏のご尽力によるものであり、深く感謝を申し上げます。そして、これまでお力添えをいただきました地域の関係諸氏諸団体、行政をはじめとするすべての皆様に深く感謝を申し上げます。

 2020年、全世界を震撼させた新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本国内も深刻な影響を今なお受け続けており、私達の行う青年会議所運動にも多大なる影響を与えました。パンデミックという未曾有の事態から、私達のそれまで当たり前と思っていた暮らしは一変し、(「三密」といった)国の示す新たな生活様式は、私達の豊かな暮らしに必要不可欠な経済活動、人と人とのコミュニケーション、さらには、これからの未来を担う子ども達の健全な成長に対して、長期的に見てどのように影響してくるのか、強く懸念がされている状況です。

 また、今や世界全体が、深刻な気候変動や環境汚染、貧困、格差など、様々な問題や課題を抱えており、その対応が急務となっています。2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継となる、地球上の誰一人として取り残さないことを誓うSDGs(国連で採択された、2030年までに達成するべき国際的な目標)について、日本青年会議所が2019年より日本で最も取り組む組織として推進を掲げました。「環境」「経済」「社会」についての17のゴール(未来像)を設定するこのSDGsは、一人ひとりの小さな行動の積み重ねによって、世界を変える大きな力にしていこうというものです。SDGsも、その名称自体は徐々に世間に浸透し始め、ただ知識や理念を広める段階から、具体的な実践が求められる時期に入っています。 

 このように未来が予測困難であり、かつ社会全体で解決していかなければならない大きな問題や課題に直面する中、一人ひとりの意識や行動の変容がより一層求められる時代に突入しています。このような時代であるからこそ、改めて心身ともに充実期である私達青年が率先して、理想の未来のために行動していく必要があると考えます。私たち春日部青年会議所は、創立当初の先輩諸氏と志を同じくし、愛する地域のために何ができるのか、活力あふれる青年組織としてその社会的責任を受け止め、今後も市民の意識に働きかける力強い運動を展開していく組織であり続けなければなりません。

 未来は、私達が生きる「今」から続く延長線上にしかありません。今まで誰も経験したことがないような困難な状況に遭遇したとしても、一人ひとりが互いに共感・共助し合い、より良い未来を共創できる。そんな理想の未来へとつなげていくために、「今」を生きる私たちが、一人ひとりの持つ多様性に満ちた英知と勇気と情熱を結集させ、魂を込めてその手の中にあるバトンを、力強く未来へとつないでいきましょう。

一人ひとりの当事者意識を醸成し、共に地域の明るい未来を創り出そう

 青年会議所は、「まち」のための運動体でありますが、まちづくりはひとづくりと言われるように、「まち」を構成しているのは紛れもなくそこで暮らす「ひと」であります。そのため、地域に住まう人々の意識にいかに働きかける運動を展開できるかというのは、愛する郷土の発展を目的に掲げる春日部青年会議所にとっても大きな使命のひとつであります。

 それでは、どのような「まち」が目指すべき理想といえるでしょうか。近年頻発する自然災害による甚大な被害や、新型コロナウイルス感染症拡大のような何が起きるか分からない時代の中で、地域に住まう人々が「他人ごと」を「自分ごと」ととらえ、共感し、共助し合い、共創できる「まち」こそが、たとえ大きな問題や課題に直面したとしても、解決の糸口を共に見つけ出し、活き活きと笑顔に溢れた理想的な「まち」へとつながっていくと考えます。

 そのような地域にしていくために、まずは地域や社会全体の問題について共感し、自分ごととして捉え行動へと移していく、そんな当事者意識を持って行動できる人を一人でもこの地域に多く増やしていくことが必要です。

 本年は私達の活動エリアにおいて、地域の未来を占うといって過言でない大切な選挙も開催される予定です。地域に住まう一人ひとりが、与えられた大切な権利を行使し、義務を果たしていくという当事者意識の醸成は、必ずや明るい地域の未来を創造することにつながります。一人ひとりの当事者意識を醸成し、共に未来を切り拓く、そんな人々に溢れた活力ある地域にしていくために、人々の意識へ働きかける青年会議所運動に取り組んで参りましょう。

地域の未来を担う子ども達のために、たくましい成長の機会を創り出そう

 今の子ども達が将来大人になったときに、未来がどのような技術に囲まれ、どのような価値観が台頭する時代となっているのでしょうか。AIの人工知能が人間の能力を追い越す時代が到来するという見解も耳にしますが、子ども達にとっては、そのような予測困難な未来においても活躍し、たくましく生き抜いていかなければなりません。

 子ども達の未来においては、新たなものに興味・関心を持ち、柔軟に思考し、挑戦する。楽しむ。そういった力の原動力となる「知的」好奇心を育むことが重要な時代となると考えます。なぜなら、多くの職業や業務がAIに取って代わられたとしても、新たな分野の労働需要が生まれる可能性や、AIでは代替することができないような人間ならではの仕事というものが残っていく可能性は十分に高いなか、知的好奇心は、機械にはなく人間にのみ与えられた大切な力であり、新たな問題に直面したとしても解決へと導くことができる重要な能力であると考えられるからです。

 知的好奇心を育む上で、年齢的に遅すぎるということはありませんが、脳の成長時期から考えて、子どもの時期に育むことが最も有効とも言われています。だからこそ今、予測困難な未来を生き抜かなければならない子ども達のために、たくましい成長の機会を創り出して参りましょう。この子ども達の一人ひとりの成長こそが、地域の未来における新しい可能性や新しい価値を創り出すことに、必ずやつながっていくことでしょう。

世界の友達に会いに共に国境を越え、感謝の気持ちを伝えよう

 青年会議所の三信条といわれる「奉仕」「修練」「友情」のうちのひとつである「友情」は、「世界との友情」を意味していると言われていますが、春日部青年会議所には、国境を越えて友情を育むことができる国際交流事業として、パサディナホームステイプログラムがあります。姉妹青年会議所であるアメリカ合衆国カリフォルニア州パサディナ青年会議所と、毎年地域の青少年を連れて開催するこのホームステイ事業は、「両JC間の友情」と「地域社会の国際化」を目的に、36年という永い年月に亘り脈々と受け継がれてきました。

 このプログラムには、長い歴史によって育まれてきた素晴らしい友情の下地が存在し、初対面であったとしても、昔ながらの友達と再会したかのような錯覚に陥るほどの、不思議な魅力が秘められております。この魅力的な事業の中で、英語が上手く話せるかどうかということはさして重要ではなく、多くのメンバーと青少年が、これまで他では得がたい心の通った交流の中から生まれる感動とともに、貴重な国際経験を培ってきました。ICT(情報通信技術)の発達により、国境を越えたビジネスやコミュニケーションの方法も大きく変容し、今後もさらに急激なスピードで進化していくことが予想されます。そのような中で、未来を背負う青少年においては、大切な成長期に、異なる歴史や文化を持った相手と濃密な時間を共に過ごし、相手に感謝の気持ちや言葉を交わす中で、様々な価値観に触れ、国際的な視野を広げてほしいと考えます。それにより、グローバル化がさらに進んだ未来においても、国籍や文化の違いを越えて、共に力を合わせ活躍できる人々をこの地域により多く輩出していくことへつながります。

 このようなかけがえのない経験を積むことができるこのプログラムに、本年も多くのメンバーと青少年でパサディナの地に訪問し、共に友情をわかちあい、感謝の気持ちを伝えて参りましょう。

会員拡大で新たな仲間を加え、共に地域の明るい未来を創り出そう

 青年会議所の会員拡大は、私達と志を同じくし、地域や他者のために率先して行動できるアクティブシティズンを増やす、最も直接的な市民意識変革運動と言われています。単年度制かつ40歳卒業制を敷く青年会議所においては、組織の新陳代謝が極めて早いがゆえに、活力あふれる新しい仲間を迎え入れることで、常に時代に即した力強い青年会議所運動へとつながります。また、青年会議所における「奉仕」と「修練」の機会は、メンバーにとって、リーダーとしての指導力や行動力、人間性の向上や成長に寄与し、この地域や組織を牽引する多くのリーダーを育ててきました。青年会議所にとっての会員拡大は、組織を存続させる目的のみでなく、この地域の未来のために絶対に必要不可欠なのです。

 本年も春日部青年会議所に多くの仲間を迎え入れ、青天井と言って過言でない多くの成長の機会に飛び込んでもらいたいと考えます。メンバー同士で共に過ごす時間の中で、生涯付き合いたいと思えるような信頼できる仲間や、成長のための刺激を与えてくれる同世代のライバルが必ずや見つかることでしょう。「人は人で磨かれる」というように、多様性あふれる仲間達と交流し、切磋琢磨し合い、時に意見をぶつけ合い、様々な経験を積んでいくことによって、自身の成長へとつながっていくことは言うまでもありません。その成長へとつなげていくために、加わってくれた新しい仲間に対しては、常に寄り添う気持ちを忘れずに、青年会議所の活動や運動の意義を理解してもらいたいと考えます。メンバー間の血の通った熱い交流や自己成長の機会を創り出し、青年会議所運動の魅力にこれから触れる新たな仲間を一人でも多く迎え入れて参りましょう。

「例会」という最高の成長と交流の機会を共に創り出そう

 春日部青年会議所の例会は、メンバー全員が一同に介し交流が図れる貴重な場であり、その内容においては、参加したメンバーにとって明日にでもすぐに青年会議所運動や自身の生業、その他の活動にも活かせるような、重要な学びの場でなければなりません。例会に参加するということは、自己を成長させるための絶好の機会であるといえます。

 もう既に、私達の生きる現代社会は従来の価値観のみでは通用しない大きな転換期に入っていると考えます。経営の面で見れば、ただ自社の利益を追求すればよいという時代から、SDGsやESG投資(E【環境】S【社会】G【統治】)といった、環境問題や社会問題に配慮しながらの企業活動を行うことが求められ、経営の中での重要度は格段に増しています。

 私達メンバー一人ひとりが例会という機会で、今必要とされる最先端の知識や情報を貪欲に学び、自身の能力やリーダーシップの向上につなげることができれば、青年会議所運動をより力強いものとすることができるほか、生業や他の地域活動にも活かしてしていくことで、より魅力的な地域社会の創造へつなげていくことができるでしょう。

 そのために、各例会を担当する委員会においてはメンバーの英知を結集し、交流をより深めながら、自身のさらなる成長へつなげられる新しい学びや気づきを得られる例会を共に創り出し、この貴重な機会を最大限に活かして参りましょう。

未来を見据えて、時代に即した価値ある組織であり続けるために

 新型コロナウイルス拡大により、経済活動は今後も影響を受け続けるといわれ、自然災害による被害も毎年のように頻発しています。さらに、SDGsをはじめ、持続可能性や多様性がキーワードとなっていく新たな価値観の台頭を受けて、私たち春日部青年会議所にとっても時代の変化に常に対応しながら、今後も地域のために力強い運動を展開し続ける組織であり続けなければなりません。そのために、私たちが今一度組織のこれからの未来を見据え、時代に即した価値ある組織として今後も地域に在り続けるために、組織の新たな未来の可能性について、共に考えて参りましょう。

おわりに

 「未来」という言葉を聞くと、遠い先の話と感じてしまい、自分とは利害関係のない話だと感じてしまうかもしれません。もしくは途方も無さすぎて、行動を起こす前に諦めてしまうかもしれません。

 しかし、一人ではできることは限られるかもしれませんが、仲間と力を合わせ、知恵を絞り合い、共に化学反応を起こし、新しい価値観や解決策を共創することができれば、できることの選択肢や可能性は大きく広がっていくと考えます。

 一滴の力は弱くても、それを集合させて水流となれば力は徐々に増していき、やがては大河となる。

 青年会議所の運動も時に草の根運動的と表現されることがありますが、はじめはたとえ小さな一滴に過ぎなくとも、この一滴に魂を込めて、挑戦し積み重ねていくことこそが、地域のより明るい未来の実現へと着実につながっていくと信じ、私自身、育てていただいた愛する地域と、愛する春日部青年会議所のために全力で1年間職務を全うすべく、役職に徹して参ります。

 春日部青年会議所は、愛する地域の未来のために、本年も積極的に運動に取り組んで参ります。一年間どうぞよろしくお願いいたします。

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