理事長所信

  • はじめに
  • 子ども達の逞しい成長が地域の未来を明るく照らす
  • 国際社会の架け橋となり地域の未来を明るく照らす
  • 新たな仲間を迎え入れメンバーの結束力をもって地域の未来を明るく照らす
  • 大人たちの前向きな心が地域の未来を明るく照らす
  • おわりに

第59代 理事長 平田 洋介

 未来明照

~前向きな心が子ども達の生き生きと輝く明るい未来を照らす~

はじめに

 春日部青年会議所は1965年「志」を持った青年が相集い力を合わせ「愛する郷土の発展」と「人間性の向上」を理念に掲げ、現在に至るまで58年間、情熱をもって地域へ向けた運動を展開して参りました。今日まで我々が地域に向けた運動を発信してこられたのも行政、地域企業、各種団体、そして地域の皆様の我々の運動に対するご理解とご協力があったからこそであります。まずはこれまでのお力添えに深く感謝を申し上げます。
そして、何より「今」私たちが誇りをもって地域に向けた運動ができるのは、先輩諸氏が未来の地域、そして春日部青年会議所という組織の事を想い行動してくれたおかげであります。
我々春日部青年会議所は本年も、先輩諸氏が掲げられた理念のもとに、時代に即した運動を力強く展開して参ります。
近年、インターネットや TV、新聞を見れば後ろ向きで、気持ちが落ち込むニュースばかりが溢れているように感じます。ここ数年は、新型コロナウィルス感染症により度重なる緊急事態宣言、蔓延防止措置をはじめ、人とひととの交流が薄れ、実に閉鎖的な世の中であるように思えます。特に、子ども達にとってのこの閉塞感は、大きなストレスであり、豊かな感受性を育むことが出来るかけがえのない時間が、「今」まさに失われており、我々が懸念することは子ども達の未来に暗い影を落としていないかということです。
我々春日部青年会議所が、今行うべきことは、この暗い雰囲気を跳ね除け、地域の未来を担う子ども達の無限の可能性を伸ばし、地域全体で子ども達の逞しい成長を支える事にあると考えます。それこそが我々が考える「愛する郷土の発展」に近づくのです。そして、それは地域の人の心を動かす運動によって実現するのです。
その為にもまずは、メンバー一人ひとりが地域の先頭に立ち、知見と見聞を深め、あらゆる問題への解決に向け率先して行動を起こしていかなければなりません。
我々の未来に向けた運動のその一歩が、地域社会全体、ひいては日本全体を明るく照らしてくれるでしょう。
春日部青年会議所は、全総力をもって「前向きな心」で運動を展開して参ります。

本年度、JAYCEE として、また青年経済人として地域の未来を明るく照らすために、以下の三つを指針と致します。
一 常に自身に問いかけよう
己を律した(常にベクトルを自身に向けた)行動ができているか

二 常に自身に問いかけよう
地域、日本を取り巻く様々な事柄に意識を向け、未来のビジョンが描けているか

三 常に自身に問いかけよう
未来を生きる子ども達のために、私たちは「今」何ができるのか

子ども達の逞しい成長が地域の未来を明るく照らす

 地域の未来を明るく照らすためには、地域を大切に想い自らの意志で地域の課題に目を向け、その課題の解決へと前向きな心で行動を起こす人がこの地域に溢れることが理想です。なぜなら、そのような地域への愛郷心と行動力を兼ね備えた人が溢れた地域の未来こそより輝くと考えるからです。
しかし、人とひととの交流が薄れ閉塞感を感じる昨今、地域の人とひととの希薄化は特に未来を生きる子ども達が大人になった時、地域の事には関心がもてず他人事になってしまい、更にはそのような状況下では子ども達が本来持つ「なぜ?どうして?」といった豊かな感情を育む機会を阻害してはいないかと危惧します。
その為、子ども達が地域の様々な課題に目を向け、解決へと行動を起こす実体験の場が必要だと考えます。なぜなら、地域の大人たちと共に地域の一員として、自らの力が地域の誰かの役に立った経験は、いつまでも心に残り地域を大切に想う愛郷心を醸成すると考えるからです。また、そのような体験を通じて、感受性豊かな子どもの頃に自らの力で課題を解決へと導く力の源である、知的好奇心という感情を育むことが大切であると考えます。なぜなら、知的好奇心とは、様々な不思議に触れることで知らない事をもっとよく知りたいと思い、自らが率先して知識や理解を求め課題を解決して行こうという自らの感情であり、その感情が溢れた先に強い意志が生まれると考えるからです。
子ども達が大人になった時、地域への愛郷心と知的好奇心があれば、自らの意志で地域の課題に対しても前向きな心で行動を起こし、地域の未来を明るく照らしてくれるでしょう。
未来を生きる子ども達にとって豊かな感受性を育む上で大切な時期だからこそ、我々身近な大人が「今」明確な意志をもって、地域社会全体で子ども達の逞しい成長を支えて参りましょう。

国際社会の架け橋となり地域の未来を明るく照らす

 地域の未来を明るく照らすためには、他国の文化や価値観の違いを理解し、互いを認め合い、前向きな心で共に力を合わせられる人が地域に溢れることが理想です。なぜなら、異なる文化に触れ世界を知れば、今まで当たり前であった自身の価値観を覆し、それが自身の可能性を広げることで広い視野を持った人が溢れた地域の未来はより輝くと考えるからです。
更に世界には、どの国にも共通した同じ価値観があります。それは友人を大切にしたいという前向きな心です。他国の人と心を通わせ友情を育むことで、ひいては世界の平和に近づくと考えます。
しかし、現在世界では、昨年起きたロシアとウクライナの問題など、世界各国の関係は複雑で日本においても近隣諸外国との関係は、いつ何が起きてもおかしくない緊迫した状況です。このような状況だからこそ、外交は政府だけではなく民間同士の人とひとの結びつき、つまり民間外交とも言うべき草の根運動こそ重要になるのではないでしょうか。
我々春日部青年会議所には素晴らしい国際交流事業があります。それは本年で38年目を迎える春日部青年会議所とアメリカ合衆国カリフォルニア州パサディナ青年会議所との相互訪問事業であるパサディナホームステイプログラムです。この事業の魅力は、たとえ言葉が通じなくても互いを理解し合い、相手を想いやる心の交流ができる事です。それは長きに亘り「両 JC 間の理解と友情」のもと絆を育んできたからであります。事実、多くの青少年が国境を越えた友情を育み、視野を広げることで「地域社会の国際化」に寄与して参りました。
本年、地域の青少年とそのご家族には、春日部青年会議所メンバーと共に訪日をしてくる彼らを家族のように迎え入れて欲しいと考えます。そして、相手を思いやる心の交流から友情を分かち合うことで前向きな心で世界への視野を広げて参りましょう。
そして、我々春日部青年会議所メンバーにおいては、この素晴らしいプログラムを未来の地域へと繋げるために更に友情を深めて参りましょう。

新たな仲間を迎え入れメンバーの結束力をもって地域の未来を明るく照らす

地域の未来を明るく照らすためには、新たな仲間と共に春日部青年会議所全総力で地域社会の発展という一つの目標に向かう前向きな心が重要です。なぜなら、理念を共有した前向きな心で行動を起こす多くの仲間と切磋琢磨し、共に力を合わせることで、地域へ向けた運動を更に力強く発信していく事ができると考えるからです。
春日部青年会議所において毎月一回以上開催される例会や、その例会における委員会活動は、JAYCEE として青年経済人として、必ず役立つ学びの場であり、更に理事・役員を経験することで、リーダーとして様々な関心や気づきの機会から、より自身を成長させることができます。このように、多くの経験を積む過程で運動の意義を肌で感じ前向きな心で行動を起こすきっかけが育まれます。
しかし、現在青年会議所への入会から卒業までの在籍年数が 4 年未満という会員が全国的にも増えており春日部青年会議所に於いても同様です。
その為、青年会議所の存在意義を今一度、メンバー一人ひとりが改めて確認し組織の意識を統一する機会が必要だと考えます。また、一人でも多くの市民が地域への前向きな行動を起こすために、会員拡大という直接的に、人の心を動かす運動によって多くの市民に地域への意識を向けていただく必要があります。
我々メンバーの意識を統一し、組織の結束力が高まることで運動は力強くなり、更に生業や育った環境の違う様々な考えを持つ多くの仲間が加わることによって運動は大きなうねりとなり地域の未来を明るく照らしてくれるでしょう。

大人たちの前向きな心が地域の未来を明るく照らす

 地域の未来を明るく照らすためには、子ども達を取り巻く現状を把握し、大人達が子ども達のために学ぼうとする前向きな心が重要です。なぜなら、子ども達にとって身近な大人の一つひとつの言動や行動は、豊かな感受性を育む子ども達にとって大きな影響を与えると考えるからです。
近年、日本では子ども達の未来への消極的な考えが表面化しております。その一例として先進国、発展途上国の国や社会に若者に対する意識調査によると「自分で国や社会を変えられると思う」人は他国に比して突出して低い18.3%というものでした。また、「自分の国の将来は良くなる」と答えた人は、わずか9.6%です。この事からもわかる通り日本の高校生の実に7割以上が国の未来や自分自身に肯定感を持てずにいるということです。更に現在の若者の引きこもりをはじめ、40歳以下の死亡の一番の原因は自殺という日本の現状に悔しさが溢れます。その一因として考えられるのは、偏差値による相対評価によって、個々の能力の優劣を「暗記や記憶」の能力で測り、常に偏差値が高いか低いかで他人と比較をされ良い点数を取ることが最終目標になっていることです。受験などで一度挫折をしてしまうと目標を見失い劣等感から更に消極的な考えになってしまうのではないでしょうか。子ども達にとって人生の目的は決して良い成績を取ることではありません。
その為、身近な大人たちが子ども達の教育について学び、現在と過去の教育の違いを紐解く必要があると考えます。なぜなら、過去、先人たちは、どのような状況下でも必ず日本の未来に希望を持ち前向きな心で行動を起こしてきたからです。だからこそ、この地域を明るく照らすために「今」身近な大人たちは、子ども達が自信を持って未来を歩んでいけるよう、子ども達に意識を向けた行動をして参りましょう。
※2019年9月下旬~10月下旬「18歳意識調査」日本財団

おわりに

地域の未来を考える時、何より「前向きな心」が大切だと考えます。東日本大震災での事ですが、当時日本は津波の被害により甚大な被害を受けました。日本人は略奪や暴動を起こさず、前向きな心で自助努力と相互に助け合う事ができる素晴らしい国民であり、日本の歴史を振り返れば、自然災害や先の戦争の際、先人たちにとって何度も、何度も、「このままでは日本の未来は絶望的ではないか」と暗い気持ちになることもあったと思います。それでも現実を悲観するのではなく、何よりも今は前に進もうという気概や力をみなぎらせることができたのは必ず大切な人、そして、日本の宝である子ども達の未来を明るく照らす前向きな心だったはずです。
「今」多くの子ども達が、未来への夢や希望が描けず将来を不安に感じ自信さえも喪失しているのかもしれません。
そうだとすれば、子ども達の豊かな感受性を育むかけがえのない「今」という時間に我々地域の大人たちが前向きな心で行動を起こす時なのではないでしょうか。なぜなら、地域を最大限に照らすことができるのは、無限の可能性を秘める子ども達の逞しい成長であり、そして、その子ども達を輝かせるのは、我々地域の大人たちの責任だからです。我々地域の大人たちが前向きな心で行動を起こし、その心が子ども達に届けば、必ずや地域の未来を明るく照らせることになると信じて。
我々、春日部青年会議所メンバーが地域の先頭に立ち、子ども達が自信を持って夢を描き生き生きと輝く明るい未来を照らすために大きな一歩を歩んで参ります。
一年間、どうぞよろしくお願いいたします。

一番上に戻る