理事長所信

第55代 理事長 岡田 太陽

強い思い
~なれる最高の姿を目指して~

はじめに

 春日部青年会議所は、愛する郷土の発展と人間性の向上を目的に1965年に設立されました。以来、54年間にわたり、その時代ごとの変化に応じた事業を展開することで、地域になくてはならない存在として信頼を得てまいりました。これもひとえに先輩諸兄の不断の努力と地域の皆様からのご理解ご協力の賜物であると改めて深く感謝申し上げます。

 この間、春日部青年会議所が行ってきたことは大きく分けて三つあります。これは青年会議所では三信条と呼ばれるものです。  まず一つ目は、愛する郷土の発展を目指し創意工夫しながら、青少年育成事業、国際交流事業、地域発展事業といった「ひとづくり」と「まちづくり」、いわば「社会への奉仕」を行ってきたことです。

 二つ目に、私たちは組織を運営するうえで必要な様々な役割を経験できる、委員会活動や、青年経済人として成長するための各種研修を通じて、なれる最高の自分を目指す向上心を持ち「修練」を積み重ねてきました。

 三つ目に、私たちは上記の活動を通じて、各界で幅広く活躍する先輩諸兄との絆、各種事業を通じて関係を深めた行政関係者様、企業様、各団体様との絆、あるいは日本青年会議所、関東地区協議会、埼玉ブロック協議会、各種部会を通じた同志との絆、30年以上の歴史が紡いだアメリカ合衆国カリフォルニア州パサディナ青年会議所との絆、そして何よりも多くの時間を共にするメンバー同士の絆など、あまりにも貴重な「友情」を築いてまいりました。

 私どもは、これからも①愛する郷土の発展②なれる最高の自分を目指す向上心③幅広いネットワーク、をいっぺんにそして貪欲に追求し、結果として地域を背負って立つ人材が 育つ春日部青年会議所を目指してまいります。

強い思いを持ち、なれる最高の姿を目指せ

 日本という国が、春日部市、杉戸町、宮代町という私たちの活動エリアが、少しずつ元気を失っているように思えてなりません。もう数十年も昔、ジャパンアズナンバーワンと言われ、世界中で日本車が走り、世界中に日本製の電機製品が溢れていた時代から、活力溢れる地域は中国や東南アジア諸国に移っているのではないでしょうか。この地域でも店舗の閉鎖や移転、また、空き家が目立って増え、ついには人口減少社会に突入しています。

 確かに日本は何不自由なく暮らす事が出来る国です。この地域でも、私たちは日々満ち足りた生活が出来ているのかもしれません。しかし、この不自由のない生活が、私たちが大きな志を持ってさらに「明るい豊かな社会」を目指すことへの障壁になっているのではないでしょうか。なぜなら、人はそこそこ良い状態であるとそのことに満足してしまい、さらに素晴らしい姿・社会になることができるチャンスがあるにもかかわらず、現状に甘んじてしまうからです。

 愛する郷土の発展のため運動を展開するJAYCEEとして、リーダーシップを発揮すべき青年経済人として、現状に甘んじて「なれる最高の姿」を目指さないことは社会にとっても本人にとっても、とてももったいないことです。  一人ひとりが常に「なれる最高の姿」を目指す向上心を忘れずに青年会議所運動に邁進していきましょう。

若者に魅力的なまちをつくろう

 春日部青年会議所は春日部市、杉戸町、宮代町の一市二町を活動エリアとしています。設立から40年余りは、右肩上がりに人口が増加しベッドタウンとして発展を遂げて参りました。そのため、ベッドタウンならではの課題、核家族化からくる課題などが主な論点となりました。しかし、ここ数年、この地域でも全国平均を上回るペースで人口が減少に転じました。このままでは、実体経済、暮らしにも影響が出てくることが懸念されます。

 この地域の人口減少は、主に出生数の減少と、子育て世代の市外への転出者が多いことが原因であると考えられます。愛する郷土の発展のためには、これらを課題として捉え、適切な解決策を施さなければなりません。大多数の若い人は結婚して子どもが欲しいという希望を持っています。しかし、さまざまな理由で、希望はしているけれど結婚できない、あるいは子どもを作るのをためらっているという現状があります。若者の希望を叶える婚姻率と安心して子どもを産み育てられる社会の実現という強い思いを行動に移してまいります。

 また、この地域からの転出者が転入者を上回っている現状を変えなければなりません。そのためには地域の経済環境を活性化して雇用を生み出すとともに、若い人が居住したいと思うようなまちづくりを真剣に考える必要があります。その鍵を握るのがVSOP運動です。VSOP運動とはVolunteer Service One day Projectの略で、企業や商店、団体が、本業を通じて定期的に地域へ社会貢献を行う運動です。この運動で、取り組む会社には目に見えない資本(知識・縁・信頼・評判)が蓄積し、またそれらを大切にする文化が生まれ、その会社と地域の経済環境を活性化させ続けます。本業を生かした社会貢献なので、無理なく、定期的に行うことが可能であり重要となります。また、現代の若者が働くことに求めるものは金銭的な報酬や出世から、働くことそれ自体への喜び、目に見えない働き甲斐など、VSOPの価値観に移ってきていると言えます。地域経済の活性化と、価値観が変化しつつある現在の若者の雇用のために我々は今、この運動を展開しなければならないのです。

未来を担う子どもたちへ

 「まちづくりはひとづくり」と言われるように、まちの姿を作るのはその地域に住まう人次第です。ゆえに、地域の未来を担う子どもたちの健全な育成は、明るい豊かなまちづくりの第一歩です。『青少年の身体の健全な発達に寄与すると共に豊かな心を育む』という開催理念のもと、2010年度より開催している小学生ドッジボール大会は本年で10回目を迎えます。現代の小学生を取り巻く環境からくる課題を的確に捉え、どうすれば、子どもたちはスポーツに親しみ身体の健全な発達につながるか、そして、小学生の豊かな心とは一体どういうものなのかを考えることがまちづくりそのものに繋がります。 また、子どもたちに対する教育における課題も変化しています。

 今後は従来のように、“入学するのが難しい学校”に行き、“一流企業”に入社すれば一生安泰で幸せ、という価値観が通用しない時代になりつつあります。科学技術の進歩により、近い将来、今ある職業の50%がAI(人工知能)に置き 換わり無くなるとも言われています。これからのひとづくりとは、従来とは違った価値観、つまり0から1を創造できる人材づくりです。新しい時代を担う人材が次から次へと育っていくそんな地域にしていきましょう。

世界の人々と友達になろう

 春日部青年会議所とアメリカ合衆国カリフォルニア州パサディナ青年会議所との交流事業「パサディナホームステイプログラム」は本年で34年目を迎えます。この交流を通じて、多くの人々に国際交流の機会を提供し、両青年会議所間の理解と友情を深め、地域の国際化、すなわち異文化への理解、そして多様性への寛容の精神をもたらしてきました。 情報通信が発達した現在では、海外でどんなことが起こっているのか、世界にはどんな問題があるのかなど、地球上の様々な情報が一瞬にして手に入ります。しかし、実際に海外の方と交流をして、心を通わせなければ、関心は深まりません。

 今年はパサディナ青年会議所メンバーと学生を迎え入れる年です。言葉や文化を超えた交流を通じて、地域の方々、特に青少年世代の方々が海の向こうの世界への関心を広げ、広い視野で物事を考えられるようになることを目指します。

なれる最高の組織を目指そう

 青年会議所は、20歳から40歳までという限られた期間の中でしか活動できない組織です。つまり、常に新たな仲間を迎え入れなければ会員数が減少し青年会議所運動の力が失われてしまいます。そのため、青年会議所運動で常に継続しなければならなく、最も直接的で効果的な運動が会員拡大運動なのです。仲間が増えれば増えるほど組織は力強い運動を展開でき、また、私たちと同じ志を持つ仲間が地域に一人でも多く増えることが、我々の理想とする明るい豊かな社会に近づくことに他なりません。

 私たちは、愛する郷土の発展のために多くの人々を巻き込み、うねりのような運動を行います。また「人は人によって磨かれる」というように、なれる最高の自分を目指すには切磋琢磨できる仲間が必要です。そして、苦楽を共にした時間が多ければ多いほどその絆は人生の大切な宝物になることでしょう。  つまり、数は力なり。春日部青年会議所はその独特の機能を最大限に発揮するために、どんなことがあっても多様なバックグラウンドを持つ仲間を常に必要としているのです。 この地域のために、そしてメンバー一人ひとりのために、来たる55周年を力強く迎えるために、一人でも多くの仲間を迎え入れ、埼玉県を代表するLOMを目指しましょう。

JAYCEEとしてなれる最高の姿を目指そう

 私たちは地域の問題を解決するために、英知と勇気と情熱をもって、多くの仲間を巻き込んで行動に移さなければなりません。しかし、入会間もないメンバーが大半を占める現状においてそれは簡単な事ではありません。入会歴が長いメンバーがお手本となるような姿を見せることで後進を育成していかなければ私たちの運動が力を持たないでしょう。

 そのためにJAYCEE育成塾を設け、青年会議所とは何たるものか、春日部青年会議所メンバーのあるべき姿を伝え、さらに同期との絆を深めてまいります。春日部青年会議所の人材育成機関としての強い思いを伝えつづけます。

リーダーとしての最高の姿を目指そう

 私たちは青年会議所運動のリーダーとして、企業を牽引するリーダーとして、人生において大切な考え方(理念)を重視しなければなりません。理念を大切にというのも、昨今、日本を代表する企業による不祥事を見るたびに、人として大切な考え方、企業の理念などを無視し、目先の利益や欲望に目がくらんだとしか思えないからです。

 私が尊敬する経営者の一人である京セラ株式会社名誉会長稲盛和夫氏の言葉に、リーダーに必要なのは「能力」「熱意」そして「考え方」である、とあります。稲盛氏が重視しているのは「考え方」です。「能力」と「熱意」は0点から100点まであるいっぽう、「考え方」はマイナス100点からプラス100点まであるとおっしゃっています。いかに、「能力」と「熱意」があっても、「考え方」がマイナスでは結果として大きなマイナスとなってしまうのです。 そこで、本年メンバーが一堂に会する例会の場を、人生において大切な考え方を学び、組織において理念を周知徹底させることの重要性を学ぶ機会といたします。まずはメンバー自身がリーダーとして最高の姿を目指していきましょう。

 また、青年会議所には、公益社団法人日本青年会議所、関東地区協議会、埼玉ブロック協議会と規模の異なる会議体が複数存在します。そして、出向制度により春日部青年会議所での活動以外の機会からも様々な学びを得ることが出来ます。この出向制度を活用し、地域に好影響を与えることが出来る最高の姿を目指し、妥協なく多くの学びを得ましょう。

歴史を振り返り未来を見据えて

 1965年に設立された春日部青年会議所は来年55周年を迎えます。この間、先輩諸兄の皆様のご尽力により、地域にさまざまな運動を発信してまいりました。時代の流れに応じて運動の内容は変われども、春日部青年会議所として変わらぬ伝統、大切な価値観というのがあると考えます。それは、礼節であり献身であります。現在入会3年以内のメンバーが多数を占める中、改めて過去を振り返り、変わらなければならないこと、変えてはならない価値観を今一度考え、未来の春日部青年会議所のあるべき姿を考えることで55周年の準備につなげていきましょう。

おわりに

 私は、理念(ビジョン)を掲げ、それを強く思い続け行動に移せばどんなことでもいずれは実現すると、馬鹿馬鹿しいまでに信じています。春日部青年会議所に入ったのも、その考えが間違っていないか、自問自答するためでありました。20歳から40歳の若者が、報酬目当てでも何でもなく、常に目の前の理念に向かって愚直に行動する。私はこの経験が必ず人生に役立つと信じています。

 「散歩の途中に富士山に登った人はいない」これは私がとても好きな言葉です。  玄関を開け、何の気なしにサンダルを履いて散歩に出かけても絶対に富士山の山頂には到達できないのです。富士山に登ると強く思うことで、どんな靴を履けばよいのか、どんな荷物が必要なのかが見えてきて、そして仲間が集まり、一歩一歩山頂という高みに近づいていくものだと思います。大きな目的に向かうには、まずそれを強く思い、ひとつひとつ行動に移していく以外にありません。

 「だけどそうは言ってもさ」「そんなの無理だよ」、人はどうしても悲観的な言葉を発してしまいます。しかし、悲観は感情であり、楽観は意思である。 全ての人に伝えたい。自分の心の弱さから感情的に逃げてしまうときに、強い思い、意思を持ち続けてほしいと。 この一年間、私を含めすべてのメンバーが、「なれる最高の自分」を目指すと強く思えるように、そしてこの地域が最高のまちになることを強く思い青年会議所運動に邁進してまいります。

 1年間どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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